スタッフブログ
2013.10.17
顎関節と矯正治療
ボストン大学での研修②−1
Dr, Paul Rigaliによる顎関節と矯正治療のレクチャーでした
矯正歯科治療とは、見た目だけではなくて、噛み合わせが非常に大事です。その噛み合わせと、切っても切れない関係なのが顎関節です。
そもそも咬むという行動は、固定された上顎に対して、下顎がドアの蝶番(ちょうつがい)のように開いたり閉じたりして行います。この蝶番の役割をしているのが、顎関節です。
いくら平行で綺麗な板を2枚並べても、蝶番のネジがズレたり弛めば、ドアはきちんと閉まりません。同じように、いくら矯正歯科治療で上下顎の歯並びを綺麗にしても、顎関節に異常があれば、人はしっかり咬む事が出来ないのです
この顎関節に痛みがでたり、音がなったり、口が開かなくなったりするのが、『顎関節症』と言われています。
人は歯並びが悪ければ悪いなりに、それなりに順応して咀嚼していきます。しかし、悪い歯並びのまま毎日無理して咀嚼を繰り返した結果、その負担を顎関節が順応しきれずに顎を痛め、削れていきます。若年者は成長期で骨が柔らかく、もちろん顎関節も柔らかいため、削れやすく、気付かないうちに重症になっている場合が多いのです
ではどうしたらいいのか?顎関節に負担の少ない噛み合わせや、成長を阻害しない噛み合わせは、やはり矯正歯科医にしか解りません。永久歯が交換しはじめる7〜8歳頃、早めに矯正医の先生に診てもらい、早期発見、早期治療を行う必要があります
そのポイントを含めた内容や、成人矯正治療前の顎関節の診断法、治療法など、やはり矯正歯科治療には、我々矯正医にしかできない治療と、深い知識が必要であり、その使命感を再認識させられる大変有意義なレクチャーでした。