スタッフブログ
2013.10.19
本当に怖い睡眠時無呼吸症候群
ボストン大学での研修③
Dr. John Walkerによる睡眠時無呼吸症候群(以下OSA)についてのレクチャーでした。
その名の通り睡眠時に無呼吸状態になることで、快眠が得られないだけでなく、首を絞めつけられるような痛みと苦しみに襲われたり、呼吸器だけでなく循環器にも障害が生じるなど、実は大変危険な病気なんですこのOSAに診断された患者さんの余命は、なんと約10年と言われています。
では、この病気と矯正歯科医がどういう関係にあるかというと、実は、上顎の位置、下顎の位置、舌の位置、歯並びの大きさなどによる気道確保の阻害が、このOSAに大きく関係しているのです。成人の患者さんであれば、簡便な矯正装置で対応したり、顎の位置を変える外科的矯正治療を行いますが、どの場合でも呼吸器、循環器、耳鼻咽喉科との連携を取りながら全身的な検査や治療が必要です
今回注目したいのは、このOSAは子供にも起こりうる病気であり、その早期治療には、矯正歯科医が関わっていることです。通常の矯正治療で行っている上顎と下顎の成長コントロールや、歯列矯正を応用することで、子供のOSAは大きく改善することができます。
OSAになりやすい噛み合わせや、日々の習癖(くせ)と、その治療法や装置について詳しく学ばせてもらいました。治療法に関しても、特に新しく難しい治療法ではなく、普段から板津歯科で行っている矯正治療に塩胡椒を加える感じで、OSAを予防する治療を加えていきます
Dr. John Walkerは、矯正医は〝命を延ばす事ができる職業″であると、自信と誇りをもっている感じで、非常に心打たれたレクチャー内容でした