スタッフブログ
2013.10.25
スピード矯正の組織学的研究
ボストン大学での研修⑤
Dr,Alpdogan Kantarciよるコルチコトミー、ピエゾシジョンといったスピード矯正といわれる治療法の基礎的研究データのレクチャーでした。
〝歯茎や骨に傷をつけると歯が早く動く″というデータを、実際にラット(少し大きいネズミ)を用いて生物学的に検証した研究です。ラットには立派な前歯(切歯)と、奥歯が3本あります。この前歯と奥歯を人間と同じ矯正装置で引っぱり、コルチコトミー(骨を傷をつける処置)を行った群と行っていない群の歯の動き方を比較した内容です
細胞レベルで破骨細胞、骨芽細胞の活性がわかるので、同じ哺乳類の生体反応が理解できる有意義なデータでした。細かい話は非常に難しい内容になりますので、結果だけご紹介します。
細胞レベルでも、破骨細胞(骨を溶かす細胞)と骨芽細胞(骨を作る細胞)活性化が認められ、歯の移動が早くなることが証明されました
経験や勘でエビデンスのない治療をするのではなく、きちんとした研究データをもとに医療は行われるべきだと私達は考えます。もし、スピード矯正に興味がある方がいれば、板津歯科に来ていただければ、いつでももっと詳しくお話します
基礎的データから応用していくのが我々臨床矯正歯科医であり、新しい論文など情報収集は欠かしてはいけないとしみじみ感じた大変興味深いレクチャーでした。
投稿者 板津歯科医院